”子どもの認知能力および非認知能力へのワーキングメモリトレーニングのインパクト”研究
600人の定型発達の小学生を4年間追跡した研究
研究:
ドイツ、Eva M. BergerとErnst Fehrによる、マインツの小学校1年生を対象とした研究。コグメドワーキングメモリトレーニングを16組、対照群15組が実施。トレーニング直後、半年後、1年後、4年後にトレーニング効果を測定。
結果:
コグメド を通常定期クラスとして大規模に導入することは、論理的に実行可能であり、通常の 25コマ分を短期間で失う(その分、例えば算数や国語のクラスが減る)ことになったとしても、学習に悪影響を与えることはない。
正常に発達している子供のワーキングメモリトレーニングは、ワーキングメモリ容量の即時増加につながる。
ワーキングメモリ容量の増加は、幅広い学問や認知機能に移行する可能性がある。
ワーキングメモリ トレーニングの効果が現れるまでには、現れる能力によって1 年ほどかかる場合がある。
若年時のワーキングメモリトレーニングにより、数年後の成績や試験の点数、進学などにかなりのプラスの効果がある。
結論:
ワーキングメモリ容量の大幅な即時的かつ持続的な増加が見られる。さらに、幾何学スキル、読書スキル、Raven の流動性 IQ 測定、潜在的な衝動を抑制する能力、および自己調整能力に対する比較的大きなプラスの効果を記録している。これらの遠隔転移効果は時間の経過とともに現れ、12ー13か月後に完全に見えるようになる。最終的に、介入後3ー4年で、1年生でトレーニングを受けた子供たちは、中等学校のアカデミックな進路(ギムナジウム*)に入る確率が約 16 パーセント高くなることを記録した。
*ギムナジウム:日本の小学校4年生相当時に進路が3つに別れるなかで、大学への進学が可能なアカデミックなコース。
Berger EMF, E.; Hermes, H.; Schunk, D.; Winkel, K.; (2020) The impact of working memory training on children’s cognitive and noncognitive skills. In: SSRN.(リンク)
この研究は2020年に最初に発表されました。このページは2024年最終改訂版を紹介しています。
コグメドの提供開始から15年以上経つことによって、長期の効果についての研究結果が発表されるようになりました。この研究は小学校1年生時にトレーニングし、4年生の進学率の違いを報告しています。データ収集の期間だけで4年間かかっています。